

※同位の作品は、数字・アルファベット・五十音順です。
※データは対象期間内(~2024年)のものです
※書影は初刊時のものを優先して掲載しました。
第37位(4票獲得作品)
あまいゆびさき

著者 宮木あや子
イラスト ロクロイチ/-
レーベル 百合姫ノベル/ハヤカワ文庫JA
発表年 2013
巻数 単巻
対照的な家庭環境で育った真淳と照乃。幼い頃のふたりだけの秘密の遊び。引き裂かれても、すれちがっても、求めてやまない激しい恋心を描く波乱万丈のガールズラブ。
一般文芸の分野では代表的なガールズラブの書き手であり、耽美的で儚い愛を描いた展開を得意とする著者の作品としては、その特徴的な作風を受け継ぎながらも、力強く愛の力を謳いあげる希望に満ちた希少な一作。それには、おそらくは『コミック百合姫』に連載され、百合姫ノベルの一冊として刊行された経緯も関連していることでしょう。その点では、著者を招聘した当時の『コミック百合姫』の判断に感謝しかありません。
エンドブルー

著者 入間人間
イラスト 中谷鳰
レーベル 電撃文庫
発表年 2020
巻数 短編集
著者の『クロクロクロック』シリーズと『少女妄想中。』の後日談となるふたつの連作が収められた短編集。
前者は、裏社会の住人である女性の冷めた心を、純朴でいたってのんきな陶芸家の卵が溶かしていくガールズラブ。本編の『クロクロクロック』とは登場人物は共通していますが、ストーリー上のつながりはないので、独立した作品として楽しめます。
『少女妄想中。』の後日談は、本編に出てきたふたりのその後のいちゃいちゃをたっぷりと楽しめるのがうれしいですが、本編のストーリーをより深く味わえるような構成を採っていますので、まずはそちらを先に、併せて読むことをおすすめします。
カルネアデス

著者 綾里けいし
イラスト rurudo
レーベル MF文庫J
発表年 2023-
巻数 既刊3巻
五つの種族が併存する世界を舞台に、腐敗した天使警察で孤立しながらも正義の信念を貫くエルと気弱な悪魔のイヴ。異種族のふたりが、かけがえのないバディとなって、世界に隠された真実を追うファンタシー。2巻では、最強の吸血姫・ノアと、そのわがままなペットの少女・ハツネ。3巻では、人間の聖女ジェーン・ドゥとその付き人のリリスの関係にクロースアップ。いずれも巨大感情の飛び交い、それぞれの愛のカタチを映し出す熱い物語が展開されます。
投票者コメント
・エルイヴ尊い
・バディものとしておすすめ。魔女の愛し仔もいいのだが。
世界の終わりの庭で

著者 入間人間
イラスト つくぐ
レーベル 電撃文庫
発表年 2018
巻数 単巻
投票者コメント
・様々な舞台、時代のそれぞれの物語を描きながら、想いが繋がっていくという壮大な作品。
猫ノ山寧々子はネコになる

著者 ひのはら
イラスト ミト
レーベル エンターブレイン
発表年 2022
巻数 単巻
さまざまな種族が人間と共存する世界で、自分に自信がない猫人の寧々子は、憧れていた姉の友人・ましろが吸血鬼と知って、彼女の血液提供者として名乗りを上げ、いっしょに暮らすことに。いっしょにいるのは、同情でも憐みでも、都合がいいからでもなく、恋しているから――なのに、彼女が同じ気持ちじゃなかったら……怖くて本心を打ち明けられない、肌を重ねても、近くにいればいるほど、せつない気持ちは募るばかり。
じれったい!もどかしい!両片思いのすれ違い!甘酸っぱくてせつないもだもだをたのしみたいときにおすすめです。
『人斬り』少女、公爵令嬢の護衛になる

著者 笹塔五郎
イラスト ミユキルリア
レーベル GCN文庫
発表年 2023
巻数 既刊2巻
主従百合×3に姉妹百合にと百合要素満載のファンタシー。3巻ではついにシュリネとルーテシアが恋仲に。その先も見たいので、ぜひ応援していただきたいです。
投票者コメント
・戦闘はとても爽快で、百合はひたすらに濃厚で尊い
・最近推してる作品の1つ。冤罪で国を追われることになったシュリネと王位継承争いに巻き込まれた公爵令嬢のルーテシア、2人の関係はただの護衛と雇い主のはずが……!?修羅場を重ねていくにつれ双方の感情の変化は見ていて思わず胸きゅん!しかもメインストーリーも中々読み応えあり!個人的には戦闘描写がかっこいいと思う!まだ2巻だけど今月には3巻が発売予定。これからのストーリが楽しみ!
・偶然の出会いが命がけの関係に変わっていく運命を描いた鮮烈な剣戟アクション百合!!!
魔法少女育成計画

著者 遠藤浅蜊
イラスト マルイノ
レーベル このライトノベルがすごい!文庫
発表年 2012-
巻数 既刊18冊
アニメ化もされた、デスゲームに巻き込まれた魔法少女たちの生き残りを賭けた戦いを描いたシリーズ。男性の登場人物もいて、純粋な百合作品ではないのですが、周囲を出し抜こうと裏切りや策謀をめぐらす者、魔法少女を愛でる邪悪な魔法少女などがいる一方、信頼で結ばれていく魔法少女たちもいて、多彩な感情と多様な関係が描かれています。
勇者の旅の裏側で

著者 八月森
イラスト Nat.
レーベル DREノベルス
発表年 2024-
巻数 既刊1巻
神官のリュイスと剣士アレニエのふたりだけの秘密の討魔の旅を描くファンタシー。バトルシーンは、悪知恵が働くアレニエの機転も面白く、迫力も満点。自分たちを襲ってきた悪党に対してさえ不殺を貫く純粋なリュイス、飄々としつつも戦いに関してはシビアな面を覗かせるアレニエ、旅を通して、対照的なふたりが互いを深く知るにつれ、恋心が育まれていく過程もじっくり見せてくれる、こうしたガールズラブとファンタシーを両立させた作風は、まだまだ貴重なので、ありがたいです。
投票者コメント
・勇者一行の旅をサポートする影の別働隊としてパーティーを組むことになったアレニエとリュイスの二人の尊いGLファンタジー冒険譚。
百合に挟まれてる女って、罪ですか?

著者 みかみてれん
イラスト べにしゃけ
レーベル 電撃文庫
発表年 2020
巻数 単巻
メイド喫茶で働く女性、朝川茉優に、近づいてきたふたりの女性。優しく包み込んでくれる神枝楓と、飴と鞭を巧みに使い分け、小悪魔な魅力を放つ久利山火凛。タイプの違う美少女の猛攻に晒されて、どっちかなんて選べない茉優。実は、どっちが茉優を落とすか勝負していた楓と火凛も、無類のお人よしで危なっかしい茉優のことがだんだん本気で放っておけなくなってしまいます。
そして、そんな3人のラブコメに加えて、幼馴染の楓と火凛との間にもまた幼少期にまで遡る複雑に入り組んだ心情があり、ふたりの母親同士の関係や、母娘間の愛情やすれ違い、いくつもの女性同士の関係が描かれ、ラストのタイトルの伏線回収もお見事な大満足の一冊です。
投票者コメント
・優柔不断なヒロインが美女2人に取り合われてヒロインがあわあわしていく様をついつい口元を弛ませて永遠と眺めることが出来る小説。読みながらもっと挟まれるんだ!と思うと次にもっと主人公はあわあわさせられることに。作者は読者の心を読んでるはず。
リコリスリコイル Ordinary days/Recovery days

著者 アサウラ
イラスト いむぎみる
レーベル 電撃文庫
発表年 2022-
巻数 既刊2巻
アニメでは描かれなかった日常やお仕事の様子が描かれるスピンオフ作品。千束は、よりによって、たきなが中年男に恋してると勘違いして、明後日の方向に張り切る一方で、たきなは千束に重い感情を覗かせる――このふたりに関しては、その温度差がちょっと面白いなと思います。
投票者コメント
・2025年4月現在ショートアニメ放映中&2期告知済み。言わずと知れたバディ&ガンアクションのオリジナルアニメ、そのスピンオフ。百合要素抜きにしても面白いので、知人を染めるならこの作品、と言う方も多いだろう。原案アサウラ氏執筆ということで、アニメ版より更にそれっぽい描写が多いため、沼に沈める際のお供にぜひ。noteの連載もお忘れなく。
第33位(5票獲得作品)
アステリズムに花束を

編者 SFマガジン編集部
装画 シライシユウコ
レーベル ハヤカワ文庫JA
発表年 2019
巻数 アンソロジー
《百合SF特集》が組まれ、発売前重版が決定するなど大変な反響を呼んだ2018年12月発売の『SFマガジン』2019年2月号。該当号に掲載された作品を含む世界初の百合SFアンソロジーです。ライトノベルの著作を持つ作家では、森田季節「四十九日恋文」、宮澤伊織の《不在の百合》を描いた「キミノスケープ」、草野原々の「幽世かくりよ知能」、小川一水ののちに長編化される短編版「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」が収録されているほか、『コミック百合姫』表紙連載で話題となった『百年文通』の著者・伴名練の大正女学校吸血鬼姉妹異種族スール百合改変世界SF「彼岸花」、『コミック百合姫』とpixiv共同開催「百合文芸小説コンテスト」のSFマガジン賞を受賞した南北義隆「月と怪物」、日本のライトノベルを愛読し、アニメ『NOIR』を観て以来の百合好きという陸秋槎(稲村文吾・訳)「色のない緑」を収録。
投票者コメント
・ツインスター・サイクロン・ランナウェイは言うに及ばず、すべての短編にハズレがなく面白いのがすごい。彼岸花と海の双翼が好き。
百年文通

著者 伴名練
イラスト けーしん
出版社 一迅社
初出 『コミック百合姫』2021年1月号~12月号
巻数 単巻
投票者コメント
・百合姫の表紙で連載された小説。当時まさにコロナ禍で神戸の繁華街を歩いてる時大正時代のインフルエンザ流行と重ね合わせた幕が張られた事もあり、異様に親しみをもって読んでいた。まず文体がとても私に合っていて読みやすく、コロナ禍で隔絶の意識があった中あるものを介して関わりを持っていくのはとても良かった。また、現代と大正時代で紙質を変える試みや人物の心情に合わせた表紙の色を大胆に変えていくのもわかりやすくて良い。
・スペイン風邪やコロナなど社会問題も扱いながら、徐々に心を通わせ、大きな問題に敢然と立ち向かっていく2人が愛おしい。
ニーナとうさぎと魔法の戦車

著者 兎月竜之介
イラスト BUNBUN
レーベル 集英社スーパーダッシュ文庫
発表年 2010-2013
巻数 全8巻
5年前に終結した戦争の影響で、自走する野良戦車が人々の脅威となっている世界。不殺の誓いを掲げ、真の平和を目指し、野良戦車を駆除する、女性だけの戦車隊ラビット団の活躍を描いた作品です。メインカップルのイチャイチャっぷりが最高潮に達するのは3巻ですが、その後も、王国の再興を目指す亡国の王女と相方の主従百合に、戦車長とその右腕の間に横たわる激重感情と、複数カップルの関係、団員たちの紡いでいぐ絆が描かれます。それに、平和を取り戻すための戦いはもちろん平坦な道のりではなく、ハラハラさせる展開もあり、とても読み応えのあるシリーズです。
投票者コメント
・ちょっとタイミングが違えばアニメ化したのではと思われる作品。復活しませんか??( ̄▽ ̄;
働く私と彼女の同棲

著者 野水はた
イラスト 紫のあ
レーベル 富士見L文庫
発表年 2022
巻数 単巻
花屋で働く茉莉は、親を亡くした高校生・澄玲の世話を押し付けられ、嫌々、一緒に暮らしはじめる。そうして、気づけば澄玲に懐かれ、いつしか居てあたりまえの存在になっていく。やりたいこともなく他人と距離を置いて接していた茉莉のかぶっていた冷めた仮面を、純粋で無邪気な澄玲の存在が、じょじょに剥がしていき、やがて、恋愛に対しても斜に構えていた茉莉が澄玲の好意を素直に受け入れていくガールズラブです。
第26位(7票獲得作品)
あまがみエメンタール

著者 瑞智士記
イラスト 鍋島テツヒロ/椎名くろ
レーベル 一迅社文庫/星海社FICTIONS
発表年 2009
巻数 単巻
全寮制の小中高一貫校で出会った橘地きつじ莉子りこと渡会わたらい心音ここねをつなぐふたりだけの秘密の儀式。ひたすらに求めていた母の愛情の代わりに心音に依存する莉子と、己を必要とされる喜びに、莉子に愛情を注ぐだけでなく身命も差し出すほど共依存する心音との関係が描かれます。女子校という舞台と、そこを飛び出した後をつなぐ、それ自体で完結した美意識の結晶であるロリータ・ファッションというモチーフと、ふたりの誰にも止められないどこまでも閉じた関係性が共鳴する甘く煌びやかで耽美的な世界観が威容を誇っています。
投票者コメント
・共依存はいいぞ
幼馴染は、にゃあと鳴いてスカートのなか

著者 半田畔
イラスト にゅむ
レーベル スニーカー文庫
発表年 2024
巻数 単巻
気の置けない幼馴染ならではのやりとりが楽しく、前代未聞のアクション・シーンもあったり、猫だけに着地も完璧な一作。たくさん笑ってちょっぴり泣けるガールズラブコメです。
投票者コメント
・昔は仲良かった友達とあるキッカケでもう一度〜というある意味テンプレ的なスタートをする作品で、ラノベ一冊分に内容が収まっててとても読みやすくてオススメしやすい作品ですね。ただ一冊で内容をまとめてしまっているから、まだこの2人の物語を見ていたい!ってなってしまいました
・猫✖️百合という好きなもの合わせ盛り
・”幼馴染である牧の不器用さと、猫モードのギャップによる破壊力がとにかく強烈!単巻で読みやすいので、気軽に手に取ってみてほしい。投票の主旨から少し外れるが、コミカライズもすごく良い。行き来することで小説版も更に楽しめますよ
きっと彼女は神様なんかじゃない

著者 入間人間
イラスト フライ
レーベル メディアワークス文庫
発表年 2017
巻数 単巻
文明が崩壊した荒廃した大地で、属する集落から疎まれている少女と、生命維持装置の長い眠りから覚め、神様と崇められることになってしまった少女・メイが出会うガール・ミーツ・ガールです。目覚めてすぐに運命を感じているメイと、メイに惹かれる気持ちを表す言葉を持ちあわせていない無自覚な少女とのやりとりはたのしいですが、やがて、ふたりがいっしょに生きるために、しなければならなかった選択が哀しみを誘います。それと同時にその覚悟の重さに圧倒されます。
投票者コメント
・この世界に私とあなたがいればいい。その究極を描いたような作品。
コールミー・バイ・ノーネーム

著者 斜線堂有紀
イラスト くわばらたもつ
レーベル 星海社FICTIONS
発表年 2019
巻数 単巻
大学生の愛は、ごみ捨て場に捨てられていた美しい女、琴葉を一晩泊める。大学が同じだった琴葉と友達になろうとした愛は、かわりに恋人として付き合うこと、そして、自分が改名する前の本当の名前を当てられたら望み通り友達になるといわれ、その賭けに乗る。
謎めいた琴葉に振り回される愛と、それを見守る友人たちとの関係などが微笑ましいですが、愛の気持ちが次第に琴葉に傾斜していくにつれ加速する高揚感と裏腹に、真意の見えない琴葉を前にして感じる愛の不安や葛藤が恋愛小説の醍醐味を味わわせてくれます。切実な理由に突き動かされて、関係が終わると知っていても、ふたりの賭けを遂行していく愛の姿は痛ましく、浮かび上がってくる琴葉の絶望は筆舌に尽くしがたいですが、最後までふたりを見届けて欲しい物語です。
投票者コメント
・原作もドラマも最高
〆切前には百合が捗る

著者 平坂読
イラスト U35
レーベル GA文庫
発表年 2020-2021
巻数 全2巻
投票者コメント
・ポップなタイトルとは裏腹にセクシャルマイノリティの現状が真摯に描写されるガールズラブラノベ。時に明るく時に真面目に、な作品が欲しい方は是非。
・デビュー作「ホーンテッド!」でレズビアンという用語をボカさず使ったのと同様、この作品では冒頭で同性愛のアウティングや転向療法に対する痛烈な批判をぶちかましてきたところにシビれた。
・リアルな百合を描いた、真っ直ぐなお話。
紫色のクオリア

著者 うえお久光
イラスト 綱島志朗
レーベル 電撃文庫
発表年 2009
巻数 単巻
電子書籍で購入できるほか、2025年、過去の名作を復刊する書泉・芳林堂書店の企画《芳林堂書店と、10冊》にも選ばれた話題作。有数のスケールで描かれる怒涛のクライマックスの巨大感情に圧倒される百合SFの名作。
幽霊列車とこんぺい糖

著者 木ノ歌詠(瑞智士記)
イラスト 尾崎弘宣/椎名くろ
レーベル 富士見ミステリー文庫/星海社FICTIONS
発表年 2007
巻数 単巻
自殺志願の中学生と、新進芸術家としてもてはやされる高校生。死に取り憑かれた彼女たちのひと夏を描いたガールミーツガール。凄絶なクライマックスの美しさは格別、力強いエンディングに胸を打たれます。
投票者コメント
・初めて読んだ百合ラノベなので
・00年代ラノベの退廃的な雰囲気と百合の背徳が交わる、あの時代ならではの百合ラノベのイデアたる作品
・(富士見ミステリー文庫の廃刊後)つねにプレミア価格で読みたくても読めなかった人も多いんじゃないだろうか。新装版のおかげで読むことができた。前評判に違わず素敵な百合だった。
・『ガールミーツガール』の名作。2人の少女の絶望と出会いからの救いのストーリーが印象的。一時期は絶版となっていて、中古品の値段が高額になっていたのもこの作品の評価を物語っている。
第23位(8票獲得作品)
「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい

著者 kiki
イラスト キンタ
レーベル GCノベルス
発表年 2018-
巻数 既刊4巻
投票者コメント
・百合とスプラッタと熱血バトルが掛け合わされた圧倒的名作。
・週刊少年ジャンプを読んでいるかのような熱いバトルと、最悪最凶な環境でも共依存気味にお互いを想い合うラブラブ展開が見所の作品。ダークファンタジー百合界の先駆け。アニメ化おめでとうございます。
・地獄に咲く数輪の百合…って感じの作品です。事態は刻一刻と悪化していくばかりのダークファンタジー。しかしそこに百合がいくつかあり希望のように咲き誇る。これが美しい作品です
処刑少女の生きる道

著者 佐藤真登
イラスト ニリツ
レーベル GA文庫
発表年 2019-
巻数 既刊9巻
凝った設定に、作りこまれた世界観、意外な展開とそれを支える緻密な構成。際立ったキャラクターたちの軽快な会話に、駆け引きの妙が楽しめるアクション。頁をめくる手が止まらなくなる、ただただ純粋に面白いエンタメ作品としても、おすすめしたい作品です。ファンタジーならではのスケールの大きい女性同士の巨大感情が、全11巻中、とぎれることなく渦巻いてます。
投票者コメント
・毎巻、想像を超える展開に惹き込まれていきます。1巻から記憶を消して読み返したい作品です。
・いい結末だった。
・バトルと絶妙なグロさがいい話。
好きな子のいもうと

著者 犬甘あんず
イラスト 塩こうじ
レーベル スニーカー文庫
発表年 2024-
巻数 既刊1巻
高校2年生の雨宮結叶は、両思いだと思っていた同級生の花房渚に告白しあえなく失恋。すると、渚と瓜二つの妹である1年生の海望から、渚のことを忘れるために渚としたかったことを代わりにしていいと告げられます。最初は好きな人の身代わりにすることにためらいを覚えつつも深みにはまっていく結叶ですが、しだいに渚とは違った性格の海望自身にも惹かれていきます。それでも渚のことをどうしても思いきれない結叶の心情、本心の見えない渚と海望の姉妹間の確執も絡み、恋心がもつれあう。泥沼、修羅場にどきどき、揺れ動く心理を描く筆は繊細でせつなく、三角関係百合の醍醐味が味わえます。
投票者コメント
・姉妹でのバッチバチな主人公争奪戦。優柔不断になるのも仕方ない
第22位(9票獲得作品)
少女妄想中。

著者 入間人間
イラスト 仲谷鳰
レーベル メディアワークス文庫
発表年 2017
巻数 短編集
自分にしか見えない女の子の背を追いかけて、走り続ける少女。夢の世界ですれ違うふたりの少女。幼い頃、事故で傷つけてしまった叔母に恋する少女の物語。姪が叔母に対してある感慨をもらす場面は、百合小説史上に残る名シーンといってもなんら差し支えないでしょう。
投票者コメント
・短編集のようであり、すべての話が繋がっていて不思議な読後感があります。



