書誌情報
編:嵯峨景子+日本SF作家クラブ
イラスト:orie
ブックデザイン:長﨑綾(next door design)
発行日:2024年3月26日
発売日:2024年3月28日
発行:星海社
発売:講談社
レーベル:星海社FICTIONS
ISBN:9784065351451
日本SF作家クラブ企画!
あなたの心に眠る〈少女〉へ贈る、SF小説アンソロジー。
世代を超えて集結した豪華・少女小説作家たちが、少女小説とSFの可能性を解き放つ!
引用:講談社BOOK倶楽部
メモ
少女小説のレジェンドたちによる書下ろしSFアンソロジー。少女小説とSF、ふたつのジャンルとその関係に関心を持つ方はもちろん読んでいただきたいですが、双子姉妹の軋轢が凄惨な結末へと向かっていく皆川ゆか「ぼくの好きな貌」、意想外な立ち現れる方をするシスターフッドが痛快なひかわ玲子「わたしと「わたし」」がやや百合読者向けといえるでしょうか。そのほか百合というジャンルにも関連するテーマを持つ作品として、人類が長命化した世界で、変わっていく法律に翻弄される一組のカップルを描いた辻村七子「或る恋人達の話」は、同性婚や結婚制度そのものについて考えさせられる目の覚めるような作品です。多様な愛の在り方を法や政治が狭めてしまうということは、おかしいのではないかと思わされました。
ともあれ、いずれの作品に関しても、その発想力、表現力といいレジェンドのレジェンドたるゆえんを知るに格好の一冊です。