お隣さんの置き配がヤバすぎる

書誌情報

著者:有手窓
装画:ワタナベマリエ
デザイン:野条友史(buku)
発行日:2026年3月30日
発売日:2026年3月27日
出版社:河出書房新社
ISBN:9784309032542
判型:四六判並製

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一般文芸シスターフッドロマンシス友情サスペンスアクション漫画家主婦隣人すれ違いアンビバレンスシリアスユーモアしんどいダーク女性蔑視性暴力DV毒親

大御所作家からのセクハラで筆を折り、半引きこもり生活を送る漫画家・侑李。立派な家で何不自由なく暮らす隣人の専業主婦・花帆。
近所で連続通り魔事件が起こり、隣家には不穏な空気が……。花帆にはじつは秘密があったーー
交わるはずのなかった二人は「置き配」をきっかけに、「女である」だけで自分たちを削り取っていくものたちに、真っ向から挑むことに……。
バイオレンスと癒しの疾走するシスターフッドな復讐物語!

引用:河出書房新社

メモ

百合度 ☆ 深度 ☆☆☆

 初手から、侑李が精神的な限界を迎えていることがまるわかりのエピソードに度肝を抜かれました。痛めつけられて起き上がれなくなった人の解像度が高くて、自然と侑李に感情移入してしまいます。
 交流が始まった当初、妙なテンションでぐいぐい距離を詰めてくる花帆に対して、侑李はその境遇に同情しつつも反感を抱いていました。明らかに普通ではない状態の花帆に向き合うだけの精神的余裕が侑李にはなく、人に臆病になってしまっている彼女が花帆の事情に踏み込めないのも、とてもリアルです。そんな、分かりあえないことの方が多かったふたりが、少しずつ身を寄せ合い、やがて自分たちを取り巻く状況に立ち向かっていく姿は痛快でした。
 悲惨な境遇が描かれているにもかかわらず、彼女たちの内側には、自分たちを痛めつけてきたものへの怒りが力強く燃えていて、そのエネルギーが物語全体を支えています。痛ましさだけでなく、読者を勇気づけてくれます。
 ふたりといっしょになって、笑い、泣き、怒り、綱渡りの状態にハラハラさせられつつ、応援したくなる――そんな作品でした。

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