みんな蛍を殺したかった

書誌情報

著者:木爾チレン
装画:紺野真弓
装幀:坂野公一(welle design)
発行日:2021年7月20日
発売日:2021年6月21日
出版社:二見書房
ISBN:9784576211015
版型:四六判上製

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みんな蛍を殺したかった(二見文庫)

一般文芸

京都の底辺高校と呼ばれる女子校に通うオタク女子三人、校内でもスクールカースト底辺の扱いを受けてきた。そんなある日、東京から息を呑むほど美しい少女・蛍が転校してきた。生物部とは名ばかりのオタク部に三人は集まり、それぞれの趣味に没頭していると、蛍が入部希望と現れ「私もね、オタクなの」と告白する。次第に友人として絆を深める四人だったが、ある日、蛍が線路に飛び込んで死んでしまう。真相がわからぬまま、やがて年月が経ち、蛍がのこした悲劇の歪みに絡みとられていく――

引用:二見書房

メモ

  百合度 ☆ 深度 ☆☆☆

 転校生の七瀬蛍がオタクの巣窟と揶揄される生物部に入部を希望。クラスでは浮いている部員の大川桜、五十嵐雪、栞の3人は、華やかな容姿の蛍に気後れしながらもそれを受け入れます。三人はそれぞれ親から虐待を受けたり容姿に悩みを抱えていましたが、親身になってくれた蛍に助けられた三人は、蛍と関係を深めていきます。
 ひとりの少女の存在と死が三人の少女に投げかける波紋を描く作品です。冒頭に置かれた少女の死に秘められていた真実が明らかになっていく過程で描かれる、少女たちの抱える闇の深さとそれぞれに向け合う濃密な感情に圧倒されます。


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