夢の国から目覚めても

書誌情報

著者:宮田眞砂まさご
装画:切符
デザイン:中村晋弥(LUCK’A Inc.)
発行日:2021年3月15日
発売日:2021年3月17日
出版社:星海社
レーベル:星海社FICTIONS
ISBN:9784065228081
版型:B6ソフトカバー

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一般文芸GL学生大学生社会人片思い三角関係シリアスせつないアクチュアル創作同性愛女性差別

百合同人漫画の執筆に没頭する有希は、サークル「ゆゆゆり」の相方・由香に「好き」という言葉を伝えられずにいた。
即売会で初めて出会った時、由香の傍らには彼氏がいた。
やがて彼氏とは別れたけれど、由香がなぜ百合を描くのか、この気持ちを打ち明けても彼女は突き放さないでくれるのか、有希にはわからないままだった。

レズビアンの有希とヘテロセクシュアルの由香。
有希がその想いを隠すことで成立した、脆い関係の行き先はーーーー。

百合小説の、百合小説による、百合小説のための新たなる金字塔!

引用:講談社BOOK倶楽部

メモ

 百合度 ☆☆☆ 深度 ☆☆☆

 大学生の有希とデザイナーとして働く由香。ふたりは「ゆゆゆり」というサークルをつくり、百合漫画同人誌を書いていました。有希は密かに由香に恋していますが、由香には付き合っている男性もいて、想いを告げることもできず、行き場のない想いを漫画に託して日々を送っています。そんなふたりの関係を軸にした恋愛小説です。
 それと同時に、「百合とは何か」というテーマに取り組んでいるのが特徴的です。ふたりと交流のあるレズビアンの女性やヘテロ男性らの百合観、百合と現実の同性愛の関りについての認識が描かれていくと同時に、有希と由香の関係も変化していき、やがて由香が自分にとっての百合を描く意味とはなんなのかということに辿り着くまでの物語が展開されます。
 ガールズラブとシスターフッド、フェミニズムを包み込むような作品は、百合にはいろんな可能性があることを感じさせてくれます。

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