書誌情報
著者:櫛木理宇
写真:葵
モデル:育実・小椋明
装丁:大原由衣
発行日:2024年12月16日
発売日:2024年10月11日
出版社:小学館
ISBN:9784093867443
版型:四六判並製
初出:第一話「STORYBOX」2022年5月号
第二話「STORYBOX」2022年9月号
第三話「STORYBOX」2023年1月号
第四話~第六話 書き下ろし
一般文芸シスターフッドミステリ社会人作家犯罪者同級生しんどいダークアクチュアル女性蔑視性暴力DV児童虐待
フリーライターの世良未散のもとに「女子中学生墜落死事件」の執筆依頼が入った。エロやお笑い記事を書きながら、いずれは社会派のルポをと願っていた未散には願ってもない仕事だ。
転落死した15歳の少女・清水萌香は、死亡時スマートフォンを所持しておらず、「あたしは一一七人に殺された」という遺書を残していた。周囲の人間の、萌香に対する評価もさまざまだ。深まる謎に翻弄されつつ書いた記事の「前編」が雑誌に掲載された日、未散のスマホに着信が入る。それは、高校時代、未散にフリーライターとしての基礎をもたらした、親友・古沢福子からだった。「記事、読んだぞ」「2-Aの神崎を思い出したよ」とだけ告げて電話は切れる。しかしその言葉は、萌香の抱えていた闇を明らかにするものだった。
事件の真相に迫る「後編」の記事は評判を呼び、未散はライターとしての知名度を上げる。しかしそれを福子に伝えることは叶わない。なぜなら、福子は4人の男女を殺害した容疑で指名手配中の身だからだ。どこにいるかも、連絡先もわからない。次第に、未散は福子からの電話を心待ちにするようになる。それが、前代未聞の事件の端緒になるとも知らずに……。
引用:小学館
メモ
意に染まぬ記事で糊口をしのいでいるライター・世良未散は、高校時代の親友で、連続殺人事件の犯人として逃亡生活を送る古沢福子から、突然、連絡を受ける。以来、ときおり連絡してくる福子の言葉に導かれるようにして、未散は次々とスクープをものにし、ライターとして名を上げていく。女性蔑視に染まった家族に苦しめられてきたふたりがふたたび繋がったとき、思いもよらぬ事態が引き起こされる。社会の病理を映し出すサスペンス。相当にしんどい現実が描かれていますので、無理はせずにどうぞ。