
書誌情報
タイトル:ニジンスキーは銀橋で踊らない
著者:かげはら史帆
装画:表1/ジョルジュ・バルビエ 「牧神」を演じるニジンスキー『ワツラフ・ニジンスキーのダンス 素描集』1913年 オーストラリア国立美術館研究図書館
表4/ジョルジュ・バルビエのデッサン 1913年
ブックデザイン:鈴木成一デザイン室
発行日:2023年5月30日
発売日:2023年5月24日
出版社:河出書房新社
ISBN:9784309031071
版型:四六判並製
〈ことばを、失った。しなやかで……猫のようで……いたずらっぽくて……キュートで……羽根のように軽く……鋼のように強く…………〉(本文より)
天才バレエ・ダンサー、ワツラフ・ニジンスキー。
彼を「神」と崇め、その人生をニジンスキーに捧げた女性がいた──ロモラ・ド・プルスキー。
ニジンスキーの虜となった彼女は、ありとあらゆる手段を使いニジンスキーに近づき、ついに結婚することに。
天才に翻弄されながらも、全身でその人生を生きたロモラの心に灯った炎の正体とは何なのか?
さらにニジンスキー亡き後の1958年。ロモラは舞台の上で輝く「男性」の姿に心を奪われる。
明石照子──テーリーこと宝塚歌劇団雪組男役トップスター。
テーリーを前に、ロモラがとった驚くべき行動とは……。
『ベートーヴェン捏造』で話題の著者が、実在の人物や出来事、それらをめぐる膨大な文献から紡ぎ出す傑作長編小説!
引用:河出書房新社
メモ
物語の約3分の2は、ハンガリーの名家の令嬢ロモラが、20世紀バレエの祖・ニジンスキーに出会い、熱烈に焦がれた末、ついには結婚に漕ぎつけるまでの軌跡、そして結婚後は療養生活を送る彼を献身的に支える日々が描かれます。
やがてロモラは、療養費を稼ぐため単身アメリカへ渡り、そこで初めて自らのセクシュアリティと向き合うことになります。祖国を同じくする女優との刹那的な関係、ロモラのニジンスキーへの愛を理解し、公私にわたって支えてくれたパートナーとの関係が描かれます。そしてふたりの女性との別れをむかえたのち、さらにニジンスキーを失い老境を迎えた彼女は、第二の“推し”となる宝塚のトップスター・明石照子と出会います。
推しとファンの関係を巡る「推し小説」でもあり、想いを結婚という手段でしか表せなかったことへの後悔なども描かれます。

