書誌情報
著者:濱野京子 椰月美智子 林けんじろう 昼田弥子
イラスト:いつか
装丁:川谷康久+趙葵花(川谷デザイン)
発行日:2024年2月29日
発売日:2024年2月26日
出版社:岩崎書店
レーベル:君色パレット 多様性をみつめるショートストーリー
ISBN:9784265091652
版型:四六判並製
赤いスカートで現れる有名人、ほとんど話したことない元同級生、情けないおじさん、黒板に予言を書く隣の席の人。多様性をテーマに『なんでもない人』を描く4つの物語。
引用:岩崎書店
メモ
全4編中、3編で女の子同士の関係について触れています。
濱野京子「レッドさん」は、転校先で、歯に衣を着せない発言でクラスメイトたちにちょっと遠巻きにされている涼香という少女と、なかよくなった「ぼく」こと玲が、いろんな「ふつう」と対峙する話です。
椰月美智子「福田さんの気持ち」は、転校した女の子との文通の様子を描いた作品。クラスではいつも独りで、まったく交流のなかった元クラスメイトの福田さんから届いた手紙は、やけに親しげなものだったという始まりから、先の読めない展開にハラハラしましたが、思いのほか爽やかな印象を残す作品です。
昼田弥子「予言」は、ある日、唯一親しくしてくれるクラスメイトの発した言葉がなぜかどうしても聞き取ることができず、わだかまりを感じて距離を置いてしまう女の子の話です。ただ、なんとなく一緒にいただけの相手に、しっかりと向き合おうとする覚悟を決めるまでの話が描かれています。