海岸通り

書誌情報

著者:坂崎かおる
装画:鶴屋香央理
デザイン:野中深雪
発行日:2024年7月10日
発売日:2024年7月9日
出版社:文藝春秋
ISBN:9784163918815
版型:四六判変形上製
初出:「文學界」2024年2月号

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一般文芸シスターフッド


第171回芥川賞候補作。

踊る、それがわたしたちの自由

海辺の老人ホームに集う女たちのゆるやかなつながり。
いま最も注目される新鋭の最新作。

「これってフツー?」
「わたしの中じゃね」
「クズミさんのフツー、ちょっとヘン」(本文より)

海辺の老人ホーム「雲母園」で派遣の清掃員として働くわたし、クズミ。
ウガンダから来た同僚マリアさん。
サボりぐせのある元同僚の神崎さん。
ニセモノのバス停で来ないバスを毎日待っている入居者のサトウさん。

さまざまな人物が、正しさとまちがい、本物とニセモノの境をこえて踊る、静かな物語。

引用:文藝春秋

メモ

百合度 微 深度 ☆

 クズミを息子の嫁と思い込んでいるサトウさん。サトウさんの疎遠になっている娘に成りすまそうとするけれど、やっぱり息子の嫁だと思われて相手にされないクズミは、マリアさんに誘ってもらったウガンダ人のコミュニティに暖かく迎え入れられながらも、なじめない。誰とも繋がれないクズミが、最後に一瞬だけ見せる、故郷を離れたあげく、夫にも見放されたマリアへの連帯を表すシーンが印象的です。

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