
書誌情報
著者:空洞ユキ
イラスト:みすみ
装丁:
発行日:2026年8月25日
発売日:2026年8月25日
出版社:KADOKAWA
レーベル:MF文庫J
ISBN:9784046604781
判型:文庫判
――たとえ演技だと、分かっていたとしても。
「ファーストキスを、舞台に捧げてはいけないよ」
天才女優と称されるわたし・氷上沙凪は、高校に通い始めた。高校とは、青春だ。台詞以外で口にしたことのないその言葉は、濁音を含んでいないのに舌がざらつくような不快な感じがする。だから、一人の放課後に突然押しかけてきた演劇部部長・日野朱莉に演技指導することも、乗り気ではなかった。
日野朱莉、先輩。脳裏にちらつく黒髪。犬の尻尾を幻視するようなポニーテール。一生懸命演技をすれば、必ず観客に届くと信じている無垢さ。日常に不慣れなわたしを見守る表情に、触れ合った時に香る、制汗剤の匂いまで。先輩は、不快だった。不快だった、はずなのに。
引用:KADOKAWA
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