殺める女神の島

書誌情報

作者:秋吉理香子
装画:雪下まゆ
装丁:大久保伸子
発行日:2024年3月4日
発売日:2024年3月4日
出版社:KADOKAWA
ISBN:9784041144794
初出:「小説 野生時代」2023年11月号~2024年2月号

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一般文芸ミステリ対立巨大感情シリアスダーク

リゾートアイランドに集められた、外見と内面の美を競い合うコンテストの最終候補者。メンバーは女子高生モデル、経営者、小説家、医師、シェフ、インフルエンサー、大学院生の七人。これから二週間、互いを知りながら、高め合いながら、助け合いながら、最終選考の準備を行う。その日々を見守ってグランプリを決めるはずだった主催者が、二日目の朝、瀕死で見つかった。次々と殺人が起きるなか、巧妙に隠された参加者たちの「嘘」も明らかになっていく――。この中で、一番嘘つきの殺人鬼は誰? 最高に後味の悪いイヤミス長編!

引用:KADOKAWA

メモ

 百合度 ☆ 深度 ☆

 真相部分はかなり面白かったです。死体を焼失させた理由など、独創的です。ただ、プロット面で綱渡りしているぶん、肝心な登場人物の人物像がぼやけてしまっている点が、やや残念。
 登場人物がほぼ女性のみですが、事件発生までは和気藹々としたやりとりが交わされ、その後は疑心暗鬼に陥っていき感情をぶつけ合うシーンはあるものの、緊迫した閉鎖状況を描いた作品ではおなじみの描写といったレベルで、特に女性間の関係性に踏み込んでいく描写はないので、この点、百合読者におすすめしづらい作品ではありますが、クライマックスの場面では、なかなかの巨大感情が顔を覗かせています。

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