
書誌情報
著者:チョン・ソヨン(정소연)
装画:ぬQ
ブックデザイン:森敬太(合同会社 飛ぶ教室)
発行日:2026年11月10日
発売日:2026年11月5日
出版社:集英社
ISBN:9784087902334
判型:四六判上製
大学から異界へと続く秘密の階段、過去と未来の宇宙飛行士が交錯する異星の放課後、時間を巻き戻せる不思議な箱――
超能力、宇宙、テクノロジー、パンデミック。
日常から過去へ、未来へ、星へ誘う韓国SF小説集。
どの空間、どの時間でも、無償の愛は切なく、愛おしい。
引用:集英社 文芸ステーション
メモ
本国で出版された『アリスとのティータイム』(ラビットホール、2024)と『ミジョンの箱』(ラビットホール、2025)2冊の単行本から『となりのヨンヒさん』収録作品を除くSF短編を収めた作品集です。
階段
作:チョン・ソヨン(정소연) 訳:吉川凪 原題:계단『アリスとのティータイム』(ラビットホール、2024)収録
ふたりを引き合わせたのは、普通なら人が見つけることができない不思議な<開く階段>だった。しかし、やがて恋人になったふたりの仲を引き裂くことになったのも<開く階段>に由来する出来事だった。
出会いや交際中のエピソードが微笑ましいものだけに、別れのシーンがせつないです。
旗
作:チョン・ソヨン(정소연) 訳:吉川凪 原題:깃발 『ミジョンの箱』(ラビットホール、2025)収録 初訳:「Them Magazine」2023年6月号
寂れた惑星を離れ未来を臨むユナと故郷を愛するハジョン。愛し合っていたはずのふたりはしだいにすれ違っていき、ユナの妹・ミナその板挟みになる。いずれ来る別れのときまでを描いたほろ苦い作品です。
ミジョンの箱
作:チョン・ソヨン(정소연) 訳:吉川凪 原題:미정의 상자『アリスとのティータイム』(ラビットホール、2024)収録 別訳:「ミジョンの未定の箱」訳:古川綾子『最後のライオニ 韓国パンデミックSF小説集』(河出書房新社 2021年12月)収録
荒廃したソウルを脱したミジョンは、辿り着いた先でその箱を手にした――愛するユギョンを救うために過去を遡っていくミジョン。最後の決断がとてもせつない作品です。
スジン
作:チョン・ソヨン(정소연) 訳:吉川凪 原題:수진 『ミジョンの箱』(ラビットホール、2025)収録
ミジョンが人生で出会った6人の「スジン」の名を持つ女性についての物語。最後の4行をどう解釈するかで、だいぶ衝撃度が違うリドルストーリー風の作品ですが、ここでみんな名前がいっしょなのが効いてきます。
地図上のジヒに
作:チョン・ソヨン(정소연) 訳:吉川凪 原題:지도 위의 지희에게 『ミジョンの箱』(ラビットホール、2025)収録
コロナ禍により移動制限がかかり情報が混乱するさなか、航海中の恋人と隔てられた女性が恋人に宛てたメッセージで構成された作品。次第に深刻さを増していく内容とそれでも必死に希望を持とうとする姿が痛ましく、胸を締めつけられます
ヒョンスク、ジウン、トゥブ
作:チョン・ソヨン(정소연) 訳:吉川凪 原題:현숙, 지은, 두부 『ミジョンの箱』(ラビットホール、2025)収録
たとえ二度といっしょに同じ時間を過ごすことはできなくても、彼女が生きていける世界を探して渡り歩く――自分の幸せを投げうってまで、ただ愛する人を救うために行動する女性の姿が胸を打ちます。
以下の2編は、百合として読んでも違和感はないのですが、性別を明示する描写がないので、別枠とします。
雨の後
作:チョン・ソヨン(정소연) 訳:吉川凪 原題:비 온 뒤 『ミジョンの箱』(ラビットホール、2025)
夜にだけ雨の降る惑星に移住した主人公が、別れた恋人を恋しく思う気持ちを綴った書簡という形で構成された作品。
わが家
作:チョン・ソヨン(정소연) 訳:吉川凪 原題:집 『ミジョンの箱』(ラビットホール、2025)収録
別訳:「おうち」(すんみ訳)文藝2022年春季号
パートナーと幸せな家庭を築いていた宇宙飛行士が、思いがけないパートナーとの別れを体験する作品です。
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